調べもの…
感覚の違い
ギャラリーでの仕事は、作品が好きなお客様にとっては羨ましがられることが多いのです。
しかし、裏ではいろんな仕事があり、けっこう体育会系だったりします(笑)
なかなかハードでございます!!
そうは言っても、なんだかんだ調べ物をしている時間は長いですね…。
今はインターネットもあるので、情報が手に入りやすいのですが、最終いきつく先は書籍です。
今回は書籍についてご紹介。
英語やフランス語の書籍を扱うことも多いのですが、最近の翻訳機は大変性能が良いため、大活躍でございます。
実は海外の方が資料がしっかり残っていたり、当時の日本とのつながりをどのように解釈しているかなども客観的に見れたりします。
引用書籍:PORCELAIN for PALACES
The Fashion for Japan in Europe:1650-1750
このページには1709年から1711年の間に日本からオランダに出た数と、オランダが受け取った作品数との差が明記されてます。
Imari yakimono
「Chokozara / small saucer」-小さい受け皿の数がダントツですが、、、、
1709年にはHina-dogu【雛道具】なんかもだしていたんですね(^^♪
※赤線ひいてます
そして、細かく数字をみていくと、おかしなことが起こってます。
例えば、1709年。
オランダが受け取った数は9,820個
日本が輸出した数は88,070個
その差なんと… 88,070個
1711年に至っては、その差が165,316個となっています。
オランダ受け取り数-16,614個
日本輸出数-181,930個
こんなことはあるのか?ということに焦点をあてて解説してあったりするので、大変興味深いです。
そして、こちらは1614年、イギリス東インド会社の大尉の帰国後議事録。
日本物がイングランドに持ち込まれたと書面上で書かれた初めての記録のようです。
史実がなにか裏付けは大事なのですが、調べ始めると深みにはまってしまいます(笑)
そして、そんな小難しいことではなく、
私が今回ご紹介したかったのは、この情報が載っている書籍の表紙についてです!!
インパクトがありすぎます!
「獅子(狛犬)の置物になんてことを!」という声が聞こえてきそうですが(。-_-。)
この置物は、江戸中期(17世紀)に佐賀県有田で作られ、オランダ東インド会社の手により海を渡った作品です。
ブロンズで設計されたキャンドルスタンドがつけられています。

有田で焼かれた作品はそのまま使用されるだけではなく、ヨーロッパに渡ってからお家芸であるブロンズと一緒につけられて、各国の王宮に飾られていました。

だからと言って、こんなデザインありでしょうか?
当時の有田の職人さんが見たらなんと思うかと、つい考えてしまいました(笑)
残念なことに、ヨーロッパからの日本へ里帰りした多くの作品はブロンズが外されていたようで、国内でブロンズと共の作品はあまりみることが少ないです。
ブロンズと共に残っている作品と出会うとわくわくします。
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京都美商ギャラリーは、1961年に京都下鴨で創立した西洋アンティーク・肥前磁器の専門店です。長年蒐集をしてきた経験をもとに、オールドバカラやオールドフランス、古伊万里や柿右衛門などを取り扱っております。量産品ばかりの近年では見られなくなった職人技、手作りの温かみの魅力をより多くの方に身近に感じて頂きたいと考えています。
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