説明

ロココ調のオールドサンルイの赤いグラス

今回のSTAY HOME KYOBIオークションの最後にご紹介するのが、オールドサンルイの希少なグラ ス2種です。

※グラスは、クリアタイプと赤色の2種のサイズ違いとなり、説明も異なります。
両ページをお楽しみくださいませ。

こちら【A-14】の作品解説では、グラスにエッチングで描かれた絵について、少し深めたいと思います。

サンルイが、なんとなく女性的なデザインが多いと、もう一方の作品解説でお伝えしましたが、その理由 は、ロココ調の作品ラインナップがあるからかもしれません。

ロココとは、17世紀のバロックに対して、18世紀のスタイルをさし、ロココの特徴は、女性らしく繊細です。
ロココ調が女性らしく繁栄した要因に存在するのが、ルイ15世の愛人でもあるポンパドゥール夫人です。

　　　　
ロココの前にある、ゴシック、ルネサンス、バロックという美術史を経て、初めて女性がアートディレクター として指導者となりスタイルを確立したのが、ロココとなります。
そう思うと、ポンパドゥール夫人は「女性的なフランスの文化」、「ファッションと言えばパリ」を先導した人 物かもしれないですね！

ロココは、それまでの古典的な形を破り、非対称が愛され、水中で揺らめく海藻や、波しぶきといった海 を連想させる優しく女性的な様式が席巻していきます。
マリーアントワネットも、後期のロココをリードしていくので、皆さまにもなじみがあり、イメージが湧くと思います。

今回の図柄である「ロカイユ」とは庭園装飾のために、人工的に作られた庭園洞窟などに貝殻がつけられた岩石の ことを指します。
実は、「ロココ」という名は、この「ロカイユ-rocaille」に由来しています。

1730年代には、S字やC字を繰り返す曲線で、波しぶきや貝殻、珊瑚、そして植物を組み合わせた装飾が、家具や食器などいたる所に多用されていきます。

本作品も、カルトゥーシュやロカイユ、そして植物が組み合わさった柄が、リズミカル、かつ、繊細に表現されており、上品な印象を与えます。

また、作品のこだわりポイントとして驚きは、3か所のカルトゥーシュ(ロカイユで表された囲み枠)と、そこから伸び行く植物のすべてがロココの特徴「非対称」であらわされている所でしょうか。

グラスは、同じデザインが連続して繰り返されることが多い中、サンルイのこだわりが垣間見れる作品です。

このグラスが作られたのは、1900年前後なので、ロココが繁栄した18世紀（1789年のフランス革命まで） とは時代が異なるのですが、バロック、ロココ、アール・ヌーヴォー、アール・デ コと時代が変わっても、今なお愛されるデザインです。

そんなサンルイ社のこだわりを感じる赤いグラスは、ワインや、冷酒などに合わせていただくことをおすすめしています。

シンプルにお水を入れていただき、普段使いにもおすすめです！

TALMAの899（クリア）の解説では、サンルイのカタログからグラスのことをお話ししているので、ご興味がありま したらぜひお進みください。

【参考】
・ペア（2客）となります
・1936年以前の作品のため、サインはありません。
・カタログレゾネに記載があります。（画像参照）
・画像にありますが、気泡が入っております。当時の物作りの味といえます。

オークションは終了いたしました。
誠にありがとうございました。

KYOBIオークション
tel : 075-722-2300
担当：大野
定休日：水曜日

作品の状態と取り扱いについて

アンティークの作品には、気泡やガラスのヨレ、製作過程でのキズ、スレなどある場合がございます。
現代のクリスタル製品の取り扱いと大きな違いはありませんが、衝撃を避け、電子レンジのご使用はお控えください。
洗浄は、熱湯や研磨剤を避け中性洗剤をご使用ください。金彩装飾のある場合は、剥落を避けるため強くこすらないでください。食器洗い機による洗浄はお控えください。ご使用後はなるべく早めに洗浄してください。
　

ランクについて

A　美しい
B　やや使用感がありますが美しい
C　アンティーク特有の使用感があります
D　使用感や小傷があります

作品と一緒にお送りする特別な贈り物

井村美術館に属するAJA鑑定協会が発行する鑑定書付き

京都美商株式会社が出版する書籍

お知らせ

世界的に大きな影響を与えているコロナウイルスが一刻も早く収束することを願い、オークション収益の一部を、「新型コロナウイルス感染症：拡大防止活動基金」へ寄付いたします。

オークションについての説明
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