説明

ロココ調のオールドサンルイの小さなグラス

今回のSTAY HOME KYOBIオークション作品を通して、今では再現が不可能なエッチング技法についてや、オールドバカラだけではなく、サンルイ社の歴史をご紹介してきました。

最後にオールドサンルイの希少なグラス2種をご提案します。

※グラスは、クリアタイプと赤色の2種のサイズ違いとなり、説明も異なります。
両ページをお楽しみくださいませ。

【A-13】作品解説では、グラスの種類や形について話をしたいと思います。

サンルイの1936年のカタログレゾネ”（Catalogue raisonné）を見るとわかるのですが、グラスセットはその形状に名前がついていました。

たとえば、前回仕入れ後、すぐに完売になったサンルイの「MICADO887」のレゾネが分かりやすいので、こちらでご説明します。

「MICADO-ミカド」とはそのセットの形状につけられた名前です。
柄などがなく、シンプルに形を伝えるページがあります。（上図）

そして、MICADOの形に彫刻（gravure）などのデザイン番号が付けられた作品がこちらのMICADO 彫刻デザイン887です。　（下図）

少し話はそれますが、海外でMICADOミカドを見つけた際のブログページもあります。
海外仕入れの雰囲気が気になる方は、「クリック」からお進みください。

→クリック

説明に戻りますと、上記と同様に、サンルイではグラスの型に（TALMA、OCEAN、MASSENT、SAPHO）などの名があり、それにプラスしてデザイン番号により種類が増えていきます。

今回ご紹介するTALMA（タルマ）も、形の表記となります。
作品はTALMAの899　

彫刻のデザイン番号が「889」となります。（下図）

1936年発行のカタログレゾネ”（Catalogue raisonné）には、TALMAのデザイン番号3216も載っていました。

形は同じですが、柄が異なることがわかります。

　　　　
弊社では、TALMA-3216はまだ取り扱ったことがなく、海外への買付には、このような新しい掘り出し物がないか も毎回チェックしながら、様々な場所へ出向きます。

もちろんカタログレゾネ”（Catalogue raisonné）のみに頼るのではなく、過去の経験や資料、現地の美術商などと鑑定を重ね、確定となったもののみを皆さまにはご提案しておりますが、研究途中でありなが ら、なおかつ、当時の高い技術で作られた作品は沢山存在します。

特に、サンルイについては、日本に入ってきている数が圧倒的に少ないのが現状です。

エルメスのグループ参加となった今でも、フランスの田舎のビッチェ村で当時から変わらずにもの物づくりを続 けているサンルイ社。

　　　　
「サン・ルイ王立ガラス工場」の銘を与えられた唯一の工場。
　　　
そして、今回のグラス、TALMA-899をご覧いただいてもわかるように、サンルイが作ったデザインは女性らしく、かわいいも のが多いので、京都美商ではオールドバカラと同様にお勧めしております。

今回のグラスは、エッチング技法で、ロココ調のロカイユ柄が繊細に表現されています。

ロココ様式のお話は、TALMAの899（赤）のグラス解説でご説明しておりますので、ご興味がありま したらぜひお進みください。

【参考】
・ペア（2客）となります
・1936年以前の作品のため、サインはありません。
・カタログレゾネに記載があります。（画像参照）

オークションは終了いたしました。
誠にありがとうございました。

KYOBIオークション
tel : 075-722-2300
担当：大野
定休日：水曜日

作品の状態と取り扱いについて

アンティークの作品には、気泡やガラスのヨレ、製作過程でのキズ、スレなどある場合がございます。
現代のクリスタル製品の取り扱いと大きな違いはありませんが、衝撃を避け、電子レンジのご使用はお控えください。
洗浄は、熱湯や研磨剤を避け中性洗剤をご使用ください。金彩装飾のある場合は、剥落を避けるため強くこすらないでください。食器洗い機による洗浄はお控えください。ご使用後はなるべく早めに洗浄してください。
　

ランクについて

A　美しい
B　やや使用感がありますが美しい
C　アンティーク特有の使用感があります
D　使用感や小傷があります

作品と一緒にお送りする特別な贈り物

井村美術館に属するAJA鑑定協会が発行する鑑定書付き

京都美商株式会社が出版する書籍

お知らせ

世界的に大きな影響を与えているコロナウイルスが一刻も早く収束することを願い、オークション収益の一部を、「新型コロナウイルス感染症：拡大防止活動基金」へ寄付いたします。

オークションについての説明
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