クリスタル-カット技法の体験話 後編
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クリスタルカット技法の体験話
やってきました!
昨日に引き続き、スタッフの疑問を解消するべく、クリスタルのカット体験に行ってきましたので、そのご報告です。
今はいろんな体験ができるので、楽しいですね!
下記の画像が完成後のグラスとなるのですが、これを最終地点として削っていきます。
①まず、先生へご挨拶。
②選び
「色被(いろきせ)ガラスの体験コース」を予約していたので、好きな色のグラスをそれぞれがチョイス。
カットする場所は、このように線が描かれていて、その線をたどってカットしていきます。
選ぶのも楽しい時間です。
③第一の削り
最初は丸い卵型のようなものを削っていきます。
回転する円盤状のグラインダーにはダイヤモンド歯がついており、そこにグラスを押し当てながら、楕円形になるように丸を作っていきます。
縁の中に作っていくのですが、同じ場所と大きさにそろえることが難しい!!
この段階では、削った後はスモークのような半透明のままです。
④第二の削り
一番難しかったのが底の花(星)のような形をつくることです。
中心の1点に集めることがなんとも難しく、ここは先生が仕上げをしてくださいました(笑)
⑤第三の削り
次は、まっすぐに切り込みをいれる。
細くしたいと思えば思うほどいがみ、均一になりません。


⑥研磨
磨き仕上げのグラインダーは柔らかく、泥(金剛砂)を横からかけながら、半透明なスモーク部分を磨き上げて仕上げてゆきます。
泥があると見えにくく、グラインダーがゴムようになっているため、滑ってうまく磨くことができません。
今回の経験は、大変勉強になる機会でした。
この体験教室についてご興味あるかたは、弊社スタッフまでおたずねくださいませ。
ちなみに、今回は初心者でも行うことができる簡単なことだけをしましたが、バカラ社では今日でも多くの「M.O.F.(フランス最優秀職人-MEILLEUR OUVRIER DE FRANCE)」の称号を得た、最高の職人たちを輩出しています。
職人が技術を習得して、彫刻のように無限な、クリスタルの性質を操れるようになるには、15年間かかると言われているほど。カットひとつとってもプロの技は違います。

また、バカラ社が使用しているクリスタルの質は鉛を含んだ最高レベルものになるため、堅く、重く、今回体験レッスンで使用したカリクリスタルとは素材がことなります。
そんなバカラ社の職人が手掛けた作品を是非見にきてみてくださいね!
ちなみに、前回の記事で、電気が通っていないと伝えましたが、バカラ工場があるバカラ村では、ロレーヌ地方を流れるムルト川に面して建てられています。電気ではなく、ムルト川の水力を利用してグラインダーを動かすためにこの地が選ばれたと言われています。
そして、バカラ工場は今でもこの地にあります。

先生からも、「クリスタルのカットは明るい光の下ではなく、暗がりのほうがよい」と聞いたので、電気がない時代の薄暗い中で制作するほうが適していたのかもしれないですね。
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京都美商ギャラリーは、1961年に京都下鴨で創立した西洋アンティーク・肥前磁器の専門店です。長年蒐集をしてきた経験をもとに、オールドバカラやオールドフランス、古伊万里や柿右衛門などを取り扱っております。量産品ばかりの近年では見られなくなった職人技、手作りの温かみの魅力をより多くの方に身近に感じて頂きたいと考えています。
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